このタイヤページでは簡単なタイヤ表記の見方を説明します

メトリック表示（ラジアル）

サイズ表記の構造：ラジアル構造のタイヤでは、サイズ表記は「（タイヤの総幅mm）/（扁平率％）R（リム径インチ）（荷重指数＋速度記号）」の順で記載されます。「R」はラジアル構造を示します。

ZR表記について：一定の最高速度を超えるタイヤには、構造記号の前に速度記号「Z」を加えた「ZR」【※2】という表記が使われます。この場合、末尾の荷重指数と速度記号は括弧付きで表記され、「（73W）」のようになります。これはJATMA（日本自動車タイヤ協会）の規格に基づいた表記方法です。

【※1】荷重指数と速度記号について

荷重指数は、所定の空気圧でタイヤが支えることのできる最大荷重を示します。速度記号は、その荷重と空気圧の条件下で走行可能な最高速度を示します。

たとえば「60H」の場合、荷重指数「60」は290kPaの空気圧で250kgの荷重に対応し、速度記号「H」は最高速度210km/hに対応します。ただし、Hレンジのタイヤを210km/h付近で使用する場合は、空気圧や積載重量に応じた管理が必要です。

【※2】ZR構造と括弧付き速度記号について

最高速度が270km/hを超えるタイヤでは、「ZR」の構造記号が使われ、荷重指数と速度記号は括弧付きで表記されます（例：「（73W）」）。この括弧は「W＝270km/hを超える速度域に対応している」ことを意味します。

メトリック表示（バイアス）

構造記号の違い：バイアス構造のタイヤでは、サイズ表記に「–（ハイフン）」が使われます。ベルト補強を加えた「ベルテッドバイアス構造」では、「B」が構造記号として使われます。

両構造は基本的に似ていますが、ベルテッドバイアスはトレッド部の剛性が高く、特に重量車に適しているため、クルーザー系やヴィンテージバイク向けに多く採用されています。

バイアス インチ表示

現在のタイヤはメトリック（ミリ）表示が主流ですが、カスタムバイクやヴィンテージ車両では、スタイルや互換性を重視してインチ表示のタイヤが選ばれることがあります。

インチ表示のバイアスタイヤには扁平率の記載がなく、形状的にはおおよそ90〜100シリーズに相当します。バイアス構造はベルト補強がなく、プライ（コード層）の角度によって形状が決まるため、扁平な設計が難しく、自然と高めの扁平率になります。

一方、ベルテッドバイアス構造では、ベルトによってトレッド部を締め付けることで、より扁平な形状の設計も可能です。これにより、クラシックな外観を保ちつつ、現代的な走行性能を両立できます。

プライレーティング表示

インチサイズで表記された一部のバイアスタイヤでは、荷重指数や速度記号の代わりに「プライレーティング（Ply Rating）」が使われています。これは、タイヤ内部のカーカスコードの積層数に基づいて耐荷重性能を示すものです。

たとえば「4PR」と記載されている場合、実際にコードが4層あるとは限りませんが、4枚分に相当する強度を持つ構造であることを意味します。旧来の表示方法ですが、現在の荷重指数や速度記号と同様に性能判断の基準として機能します。

また、プライレーティングは現行規格への換算も可能で、例えば「4PR」と表記されたタイヤは「2.75-17 41P」などの表記に対応します。これにより、旧規格のタイヤでも現代の車両に合わせた選定が可能です。

タイヤ幅記号表示（主にクルーザー系バイク）

クルーザー系バイク向けの一部タイヤでは、サイズ表記に数字ではなくアルファベットが使われています。この方式では、先頭に「M」（Motorcycle用）を付け、その後の英字1文字でタイヤ幅を示します。

例えば「MH」は幅約80mm、「MT」は約130mmを意味します。これらの記号と寸法の対応関係は、米国のTire and Rim Association（TRA）が定めた規格に基づいています。

荷重指数表（ロードインデックス）

そのタイヤが定められた条件下で支えられる最大の荷重を示す数値です。

速度記号（スピードシンボル）

そのタイヤが定められた条件下で到達可能な最高速度を示す記号です。